藪原検校 2005.5.25

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藪原検校(やぶはらけんぎょう)

作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄
音楽:宇崎竜童
出 演 古田新太 田中裕子 段田安則 六平直政 梅沢昌代 山本龍二 神保共子 松田洋治 景山仁美
壤 晴彦

ギター演奏:赤崎郁洋

時は今から二百年ほど遡る江戸中期の享保、塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛は、醜女だが無類に気立てのよいお志保を嫁にもらい一旦は改心するが、女房のお産の金欲しさに行きずりの座頭を殺して金を奪う。が、生まれてきた男の子は盲だった。「座頭をひとり減らしてまたひとり殖やしただけだ」とめぐる因果の恐ろしさに、七兵衛は自害する。生まれた子は、塩釜座頭・琴の市に預けられ杉の市という名前をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三で女を知り、師匠の女房のお市にまで手をつける始末。ある日、難癖をつけて金を巻き上げようとする佐久間検校と言い争ううち、検校の結解(けっけ=目明きの秘書のこと)を刺してしまう。別れを告げに寄った母の家で、誤って母を刺し、駆け落ちしようとお市と共謀して師匠琴の市を殺すが、お市は瀕死の琴の市の返り討ちにあう。
一人になった杉の市は師匠から盗んだ金を携えて江戸に向かい、門下生になるために学者・塙保己市の元を訪れる。晴眼者以上に品性を磨くことを目指す塙保己市が、万事が金と考える杉の市を弟子にするわけもない。
その後、藪原検校に弟子入りし、貸し金の取立てで見る間に頭角をあらわす杉の市。そして二度目の主殺しをし、念願だった二代目藪原検校の襲名披露の日、彼の前に立ちふさがる影が………。

2列目だって思って行ってみたら最前でしたぁ。
コクーンの最前列ってなにげにはじめてかも。。。
役者さんの汗が流れるのまでかぶりつきで見てきました。もちふるちんのむっちりしたおみ足も。
贅沢を言えば、照明がおそろしくきれいな気がしたのでちっと引きで見たかったなぁ。

あらすじ読んで実はよく意味がわからなかったので調べていきました。知らない単語ばっかりなんだもん。(汗)
「検校」(ちゃんと変換で出てきたのもびっくりした)とは、中世・近世の盲官の最高位の名称。
元々は平安時代鎌倉時代に置かれた寺院や荘園の事務の監督役職名であったが室町時代以降、盲官の最高位の名称として定着した。検校は、専用の頭巾・衣類・杖などの所有が許された。盲官(盲人の役職)では、位階順に別当、勾当、座頭があった。とのこと。
お芝居見るのっていろんな意味で勉強になります。え、常識??

いきなり明かりがストーンと落ちる。
真っ暗の中、津軽三味線のようなギターがかき鳴らされる。盲人の世界のように。そしてだんだんとスポットでギターの赤崎郁洋さんが現れる。すご~いかっこいい。
最近、音楽が大きくなって開幕ってのも多いけどその反対。だからちょっと新鮮。

舞台は盲太夫の壤さんが杉の市、薮原検校の成り上がりを語り始める。
ずっと出ずっぱりで台詞500行ですってよ。お疲れ様です。稽古初日には台詞を入れてこられていたそうで、ホントすごいです。
途中、湯飲みでお茶を飲むときもちゃんと盲人として演技されていましたよ。
そして前半は古田さんのなんと12ページもある「白黒餅合戦物語」!
よく噛まないで言えるなぁ。
悪いやつなんだけど、たまに見せる笑顔がかわいすぎて憎めないよ~。

綱と光と最小限の小道具でお話が進んでいきます。
「舞台は綱で縦横に仕切られている」とト書きにあるんだそうだ。
蜷川さんは書かれていることは全部やる。ただ、書かれていないことは自由にやるとのこと。
その綱が道になったり日本橋になったり川になったり。
そう聞くと脚本にあるのか演出なのかどっちなんだろうって思うけど
講談や歌舞伎などにあるような演出もたくさんありました。
ござを転がして敷くところはロープにちょっと引っかかってしまっていたね。

井上さんがなんと30代で書かれたっていう今作。初演は73年。
最近の作品とは全然違ってエロいところもたくさんあるし、勢いがあるなぁって思いました。
しかし、30代でここまでのがかけるってすごいですね。パンフ読んだら、この後にちゃんと戯曲を勉強しはじめたって・・・。え~。

天保~」の時は音楽、歌がちょっとうるさいかなぁって思ったんだけど、今回はギター1本でよかったですね。
宇崎さんもこられていました。黒いシャツを胸まで開けていらっしゃいました。(^ー^* )♪
全然お変わりなくて、これもすごい。