こまつ座 人間合格 2007.3.7

イメージ 1

作:井上ひさし
演出:鵜山仁
出演:
津島修治 岡本健一
佐藤浩蔵 山西 惇
山田定一 甲本雅裕
中北芳吉 辻 萬長
青木ふみほか七役 田根楽子
チェリー旗ほか七役 馬渕英俚可

昭和五年、春。
 晴れて東京帝国大学に合格した青年津島修治は、郷里津軽の生家を離れ、高田馬場の下宿で学生生活を始める。彼は、ここで瞬く間に、生涯の知己を得た。

 帝大生の佐藤と、早大生の山田。夢を追い、理想に燃える三人の若者は、妖しいカフェーで論争し、貧乏長屋で激論を戦わす。

 世はまさに、テロルの嵐の吹き荒れる激動の時代。若者たちは時代の波に翻弄され、そして戦争という巨大な大渦へと飲み込まれてゆく……。

紀伊国屋サザンシアター 18:30~

珍しくなんの楽器も入らず、歌もあまりない。ナカキタさんが歌う時代を反映したような歌がある程度。それも津軽弁でなんだかはっきりわからないところもあったりして。(^^;)
とんちゃんはあまり本は読まないので太宰治っていっても有名な「走れメロス」「人間失格」とかくらいしか読んだことないんだけど。イメージは屈折してて暗い作家ってイメージ。だから太宰の持つ負の重みに負けそうで読まないんだけど。ほんとあたしのほうが失格だよってなりそうなんだもん。
太宰が主役というよりはその友人の佐藤と田中をいれた3人の物語って感じ。太宰っていうか津村の人生っていうよりもほかの2人の生き様を通して、津村(太宰生身の部分)を浮き彫りにしたような感じ。岡村健一の飄々とした演技もなんだか津村にあっているような気がした。冒頭きっと本物の写真をまねてとったと思われる写真は雰囲気が出ていたなぁ。
「もっと生きたい」と津村が言った言葉にはちょっと心を打たれた。
しかし実際の太宰は自ら命を絶ってしまうんだよね?それも一人では死ねず心中という形で。お芝居ではそれは描かれていないけど、友を一度になくして酔いつぶれてしまう背中になんだか悲しくなってしまった。
女性軍は各場でいろんな役をこなしていて、その時代時代を表していたと思う。

井上作品は何本か見たけど、鵜山さんの演出が一番しっくりくるかも。